子どもの成長・成長障害と専門職の役割
保健師のみなさんへ
乳幼児健診での成長障害の早期発見がとても重要
3歳頃までの成長障害の多くは栄養に関わるものですが、ホルモンや代謝の異常、肝臓や腎臓の病気などによるものもあります。このような赤ちゃんは、飲まないことや食べないことで、体重増加不良が目立ちますが、低身長が症状であることもあります。低身長は慢性の栄養障害の指標と考えられています。
また、SGA※で小さく生まれた子どもの約90%は2~3歳までに成長が追いつきますが、その時期になってもほかの子に成長がキャッチアップしない場合、SGA性低身長症かもしれません。
乳幼児健診で、たくさんの子どもと保護者に会うチャンスのある保健師さんは、成長障害の早期発見にとても重要な役割を果たします。年齢・月齢に比べて低身長だったり、成長スピードの遅れが疑われる場合は、成長曲線に記入してみてください。
また、ちょっとした風邪などでもぐったりして点滴を受けなければならないような、低血糖を思わせるエピソードがないかを問うことで、ホルモンの病気の早期発見ができます。このような場合、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、あるいは副腎皮質ホルモンに異常がある可能性がありますので、専門医の受診を勧めてください。早期発見され、適切な治療を早い段階で始めることができると、低血糖を防ぎ、その後の成長や成人身長の改善につながります。
※SGA(small-for-gestational age):在胎週数に相当する標準身長・体重に比べて小さく生まれたこと。
保護者にとって、子育ては多くの喜びがある反面、様々な不安を伴うものです。赤ちゃんが大きくならない、飲まない、食べないなどといったことは、大きな不安を抱く原因にもなります。子どもが大きくならないことで悩んでいるお母さん・お父さんの相談相手となり、適切な栄養指導、育児指導を行い保護者の支えになることも、保健師の大変重要な役割です。