子どもの成長・成長障害と専門職の役割
養護教諭のみなさんへ
客観的立場での成長障害などの早期発見への期待
小学生から中学生の成長障害、内分泌疾患を近親者が早期発見することは容易ではありません。低身長は親や近くにいる人々ではなかなか気づきにくいのです。
早期発見のためには養護教諭の果たす役割が重要です。なぜなら、養護教諭は多くの生徒を見慣れているので客観的な目でみることができ、しかも身体計測データや健診のデータを常に参照できる立場にいるためです。
整列したときに極端に小さい子どもに気づくかもしれませんし、入学時には背の高さが真ん中だったのに、年々前の方にくる子どもが目に留まるかもしれません。
養護教諭の方に具体的にお願いしたいのは、
- (1)成長障害などの可能性のある生徒に気づいたら
- (2)成長曲線を描き
- (3)順調な成長かどうかを判断し
- (4)必要であれば保護者の方や本人に受診をすすめる
ことです。
養護教諭の方に紹介された生徒から、内分泌疾患の見つかる率が比較的高いことから、非常に正確に生徒の成長を把握し、評価されていることがわかります。
養護教諭に期待される役割
養護教諭にはいつも子どもの成長を見守り、 成長障害が疑われる場合には受診をすすめるべきかを検討して、必要なら受診を促す役割が期待されています。
成長障害かどうか心配な児童・生徒に気づいたら、成長曲線を描き、順調に発育しているかどうかをみてあげてください。
- 下記のようなケースの場合、受診を勧めましょう。
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- 身長が−2SD以下の場合
- まだ伸びるはずの時期に伸びが悪くなり、成長曲線が横に寝てきた場合
- また、成長過剰(成長がよすぎる)の場合にも病気が見つかることがあるので注意しましょう。
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- 身長が+2SDを大きく超えて、身長が高い場合
- 思春期が来るべき年齢でもないのに、急速に伸びて成長曲線が立ってきた場合