成長障害の原因
染色体検査によって診断される成長障害
女子特有の成長障害であるターナー症候群
ターナー症候群は、女子に2本あるX染色体のうち一方が欠失しているか構造異常を伴うために起こります。
染色体検査によって診断される成長障害の中で最も頻度が高く、女子低身長の5~10%を占めています。
ターナー症候群の女子は、やや少ない体重で生まれ、身長は−2SDの成長曲線に沿うように伸びますが、小学生になると年を経るに従って平均値から遠ざかっていきます。
ターナー症候群の約80%の子どもたちは、二次性徴とその時期の成長スパートが起こらないため、10歳台の前半には一層低身長が目立つようになります。ターナー症候群の多くは、これらの特徴を除くと普通の女の子なので、成長障害は診断の契機として重要です。
プラダー・ウィリ症候群
プラダー・ウィリ症候群は15番染色体の変異に起因する疾患で、発生頻度は10,000~15,000人に1人と考えられています。発達障害のひとつで、症状は多彩で年齢によって変化していきます。主要な症状には、新生児・乳児期の筋肉の緊張低下と、幼児期からの過食が挙げられます。プラダー・ウィリの患者さんは筋肉量が少ないこともあり、エネルギーを消費できず肥満傾向にあります。そのため、食事の十分なコントロールが必要となります。そのほか行動面にもしばしば問題がみられ、コミュニケーションがうまくとれないなど、社会への対応が難しくなります。
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